「美容室のトリートメントって5000円もするけど、本当に意味あるの?」
「ドラッグストアで買えるトリートメントと何が違うの?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
美容師として、美容室のトリートメントの本当の価値をわかりやすくお話しします。
美容室のトリートメント、何がすごいの?
髪の中を補う本格的なケア
美容室の一番の違いは、髪の毛の中に栄養を届けることができることです。
これは何段階にも分けて違う薬剤を使うからです。
市販品は1回で全部済ませなければいけないので、どうしても表面的なケアになりがちなんです。
効果が長持ちする
美容室でトリートメントすると、環境にもよりますが3週間程度続くといわれます。
トリートメントの効果があると
・髪のまとまりが良くなる
・髪の毛を触ったときの手触りが良い
・お手入れがしやすい
・髪に艶が出て若返る
などなど、「日常の中で小さな喜びを感じれるタイミングがいくつもある」
というようなイメージです。
髪を「海苔巻き」で考えてみましょう
難しい話はせずに、髪の毛を「海苔巻き」で例えてみますね。
髪の構造は海苔巻きと同じ
髪の毛は海苔巻きのような作りになっています。
- 具(芯の部分):トリートメントにあまり関係がないので無視します
- ご飯の部分:髪の栄養がつまっているところ
- 海苔の部分:髪の表面を守っている部分(キューティクル)
ダメージした髪は「海苔が破れた海苔巻き」
髪が傷むと、海苔(表面)が破れて、中のご飯(栄養)がポロポロこぼれてしまいます。
パサパサしたり、手触りが悪くなるのはこのせいなんです。
美容室では「丁寧に戻す」
美容室では、まず新しいご飯(栄養)を補充します。
小さなご飯粒から大きなご飯粒まで、髪の状態に合わせて何回かに分けて入れていきます。
最後に新しい海苔で包んで完成です。
市販品「メインは海苔を巻く」
市販のトリートメントは、ご飯の補充が少なめで、海苔を巻くことがメインです。
だから「使った瞬間はツルツルになるけど、使い続けると重たくなる」ということが起きるんです。
スカスカの海苔巻き(ご飯が少ない)に海苔を何重にも巻いていくような感じ。
「髪が治る」わけではありません
ここで大切なお話があります。
どんなに良いトリートメントでも、傷んだ髪が完全に元通りになることはありません。
トリートメントは「修復工事」
海苔巻きの例えで説明すると、トリートメントで入れる「新しいご飯」は、あくまで擬似的なご飯なんです。
本物のご飯ではないので、時間が経つとだんだん流れ出てしまいます。
だから効果が1〜2週間で薄くなってしまうんですね。
自宅で使用しているシャンプーが洗浄力の強い物(主に市販品)だと効果が薄れるのが早いです。
あくまで「メンテナンス」
つまり、トリートメントは
- 傷んだ髪を「きれいに見せる」
- 手触りを「一時的に良くする」
- これ以上傷まないように「保護する」
日々のお手入れをしやすくする為のメンテナンスなんです。
破れた海苔巻きに新しいご飯を詰めて、新しい海苔で巻き直すので見た目も手触りも良くなります。
しかし根本的に新しい海苔巻きになったわけではありません。
だから定期的なメンテナンスが必要なんです。
こんな方には美容室のトリートメントがおすすめ
基本的に女性には全員オススメ
全員にオススメな理由としては
- ほとんどの人がカラーやパーマをしている
- 紫外線を浴びている
- ヘアアイロンを使用している
など様々な理由から、ほとんどの人が髪の毛はダメージを受けています。
なので髪の毛を綺麗に保ちたい方には強い味方になります。
サロントリートメントが必要ない場合も
- 髪の毛を濡らしたときに毛先がひっかからない
- 毎日髪の毛を綺麗にまとめられている
- カラーやパーマを全くしていない
トリートメントは髪のお手入れをやりやすくする為のメンテナンス。
なのでダメージが気にならず、髪をまとめられている方はトリートメントをしない、というのも一つの選択肢だと思います。
市販品の活用
美容室のトリートメントがいくら良くても、予算や時間の問題がありますよね。
そこで活用できるのが市販のトリートメント。
サロントリートメントとは別物
先ほどお伝えしたように、市販のトリートメントは海苔を巻くイメージ。
なので使いすぎるとカラーやパーマの薬剤が髪の毛の中に入りにくくなります。
なのでサラサラになるからと言って、使いすぎには注意しましょう。
大切なこと
・完璧な理想の髪を目指すのではなく、今の髪を大切にケアすること
・現状からできるだけダメージを進行させない事
が大切だと思います。
カラーやパーマには必ずダメージが伴います。
しかし、ダメージばかりを気にしていれば何もできなくなるのでライフスタイルや予算に合わせて、無理のないケアを上手に取り入れてみてください。
美容師からの最後のアドバイス
迷っている方は、まず信頼できる美容師さんに相談してみてください。
髪の状態を見て、あなたに本当に必要なケアを提案してくれるはずです。
高いメニューを無理に勧める美容師ではなく、あなたの髪のことを真剣に考えてくれる美容師を見つけることが一番大切ですよ。
コメント